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公教育は地域の財産!




森の中に、ブロンズ像の卒業制作が点在
(長野県・原村)

 今回、我孫子市議会は、県に湖北・布佐高校統廃合の意見書を出しました。その代わりと言ってはなんですが、市民からの請願は常任委員会で討議せず、採択をしない「みなし採択」とされたのです。県への意見書を15日のパブリックコメントの締め切りに間に合わせるとの判断になった為です。私はもちろん意見書提出に反対ではなかったが、しかし、これでは今後の展開もないと会派での意見交換もあったため、議会からの意見書を出す際の署名はしない決定をした。何故なら、既に市の校長会から要望書を出している時点で、むしろ市民の請願を取り上げて20日の常任委員会で今後の話し合いをして、単なる意見書の提出ではなく対策を考えられるからです。県立高校は県教委の管轄であり、県議会開催中に意見書提出をする方法もあります。

 実際、請願について議会運営委員会の中で図ったのは10分程度、県パブリックコメント締め切りの15日に間に合わせる事を優先するとした。15日を意識せず通常の常任委員会での話し合いに付託すれば、通常は、20日の教育福祉常任委員会で請願の紹介議員からシッカリと説明をうけ各会派の委員による審議となったはず。それに、14日の川村議員の質問で湖北の図書館の用地選定につき、渥実生涯学習推進室長からの答弁で、統廃合の話が浮上したため用地選定もその動向を見ながら考えると答えた。これでは、市は要望書を出すものの、公教育の改善をするためには何の話もしえないのではないかと疑問に感じた。そういう中で、市民の方々が、市議会へ請願をされるばかりでなく、8000筆近い署名を短期間で集め県議会へ提出されたのは快挙と思います。

9月16日
並木小学校校長と、秋晴れの運動会


子供の元気な姿をみていると
ついつい応援にも熱が入ります


 湖北・布佐高校の統廃合のことは「県立高等学校再編計画第3期実施プログラム案」の一環であり、これまでに、千葉県は第一次、第二次と進めてきた。市内では、7月27日に県の説明会が開かれた、県は7月20日〜9月15日(必着)にパブリックコメントを求めていた。

9月28日
第三小学校参観日、評議委員会を視察
この頃はお父さんも、参観している!


 私なりに幾つかのインターネット情報で再編計画について調べ、県議にも聞いてみた。今回で三期になる統廃合のプログラムは、県議会最大会派の県自民党(90議席程の2/3を占める)の意向次第で決定されてしまうため、野党県議が申し入れをしてもつぶされてしまう。第一期、二期は、下記のように計画は変更されず進められてきた。

  • 2002年に案が発表(7月の17日、千葉県教育委員会は、今後10年間で全日制高校15校を削減する高校再編計画。)された。現在、第三期へと進んでいる。統廃合の対象にあがった学校は、地域ぐるみでどんなに反対の声が出ようが、千葉県教育委員会は廃校にしている。説明会での関係者の切実な声はただ“聞き置く”だけとなっている。一方で、第二期計画では、県立千葉高校に「中高一貫教育」のための県立中学を設置している。こちらはというと、全県一区のエリート選別校で、異常な競争が小学校にまで拡散する状況を作っている。
  • 第一期の当初案に統廃合対象として名前をのせた安房水産高校は、地元の反対が強いからと正式決定からは除外され「検討」とされていたが、一年たって今なお強い反対が続いていると県教委自身も認めながら再びリストアップされた。統廃合の理由は「生徒の減少」だと言うが、柏市の柏北高校などは、常磐新線沿線開発による人口増に対応して3つの小学校と2つの中学校が建設予定に入っている地域にあるのに統廃合の対象となった。2007年度より、千葉県立柏西高等学校と統合され、(仮称)柏の葉高校となる。
  • 2004年9月千葉県議会で、「県立高校再編の一環として、御宿高校と勝浦高校を、また鶴舞商業高校と市原園芸高校をそれぞれ統廃合し、名称を変更しようというものです。生徒数の急減期はすでに終わり、今後は大きな変化がないこと、したがって、統廃合に合理的な理由がないことは、繰り返し指摘してきたとおりです。しかも、北海道・福井など、全国の9都県では、すでに30人、35人学級が実施され、福島県では、生徒減少地域でも35人学級を実施することで、統廃合を取りやめています。御宿町議会からは、地域経済にも大きな影響があるとして、少人数学級や特色ある教育の場としての存続を求める意見書も提出されており、本議案は、こうした地域の切実な願いにも背くものであります。」と県議から質問も出たが、のれん腕押しだ。

 2005年2月の県議会において、知事は「魅力ある高等学校づくりに向け、学校配置の適正化や学科の再構成など県立高等学校の再編を進めています。」と言ったが、親の思いと県の考えに大きな隔たりがある。地域になくてはならぬ存在となっている学校として、先生と生徒、父母が力を合わせて少子化、学力低下などの困難を乗り越えようと必死で努力していても、県議会は自民党の判断で容赦なくつぶしてきた。そんな中で、当議会の保守系といわれる最大会派が、県への意見書に署名していることは、特筆に価する。(県内で、自民党県議もいなくない市は初めてであり、当市議会には自民党保守会派はないし(!?)、つまり市民が地元議会へ声を反映しやすい構造だ。)

 98%の高校進学になった今日、学費が安いだけでは生徒は私立へ流れ、偏差値40を切る生徒の受け皿、学力底辺校として位置づけられるのでは、退学者を多く出すだけになる。柏市では、学力アップ、行きたくなる学校にしようと、(仮)柏の葉高校を東大柏キャンパス、つくば学園都市の研究施設など連携して魅力ある学校つくりに変身させる事を目指している。私立高校に負けない高校つくりにするには、生徒が退学して少人数になっていく状況を食い止めなくてはいけない。教科、部活動に先生が足りなくなる状況などは改善し、地域連携して魅力ある学校を作るなど、私学にない良さを作り出すように、地域の公共教育機関としての生き残りを積極的に考える必要があると言いたい。

(2006年10月1日)


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